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フェルナンド・カブサッキ その1

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梅雨ですね。
完全に、梅雨まっただ中。こんな感じの所へ彼らはやってくるんだなー、と思っていたら、アルゼンチンに梅雨は有るのかという疑問が、、、多分無いでしょう。

さて、今回やって来る3人のうち、僕らと最も共演歴が多いフェルナンド・カブサッキについてちょっと書いてみます。

この人は本当にいつでも何処でもギターの練習をしている。朝、起きたら練習。朝食を食べたら、練習。昼飯前に、練習。昼飯を食べたら、、、(以下、略)。
それも修行、という雰囲気よりはただ弾きたいから弾いている、ように見える。実際は修行っぽいニュアンスは多分に有るのかもしれないけれど、そうは見えない。すごく楽しそうに猛練習をしている。しかも、これは彼の人柄なのか、その猛練習ぶりが近寄り難く無い。無理してない感じ、というか多分、本当に無理をしていない。だから、当然ギターがもの凄く上手い。でもそれがまた押し付けがましく無い。

フェルナンド(と、僕は呼びます。)と初めて共演したのは2002年に、ファナ・モリーナ、アレハンドロ・フラノフと一緒に来日した時です。挨拶もそこそこにサウンドチェックをして、さあ、リハーサルという時の事。「この人達はどんな音を出すのだろう」と見守っていると、やはり予想に違わず繊細な、と言うか音数が凄く少ない。で、音も小さい。「そう来たか、それでは」と同じ様にアプローチし始めると「もっと、熱く盛り上がってくれ!」ってフェルナンドが言うんですね。
これには山本精一さんと二人で悩んだ。

勝「熱く盛り上がったら、音量も上がっちゃいますよね。」
山「それはマズイ。彼らの世界観が台無しになる。」
勝「どうすればイイんですかね。」
山「音量を上げずに、音数も増やさずに盛り上がるしかないな。」
勝「、、、、、。」

今ならフェルナンドの伝えたかった事が良く解る。
でも、この時は悩んだ。
「音数も音量も上げずに熱く盛り上がる演奏」への挑戦が、彼らとの共演の第一歩になったのでした。
by katsui06 | 2006-06-18 17:16 | 音楽
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